あの震災の際、我が家の屋根は音を立てて崩れました。屋根の瓦が地震の揺れで外れて地面に滑り落ちてしまいました。しばらくの間はブルーシートだその部分を覆い隠し雨の侵入を防いでいました。
街の混乱が落ち着いたころ、昔から使っている同じ町内の業者Aに屋根の修理を依頼しましたが、近所の多くの家の屋根が同様に壊れていたためかなりの時間がかかるという答えが返ってきました。梅雨が近づいており雨漏りの心配が先に立ち、隣町にある別の業者Bに屋根修理を依頼しました。毎日夕方まで作業してくれたおかげで、1週間で作業が終了しました。梅雨に入る間際だったのでホッとしていました。
ある日、屋根の修理業者の営業を名乗る者が訪ねて来ました。その人の話では屋根の修理の仕方に欠陥がありそうだから見せて欲しいというものでした。今のところ雨漏り等の問題は生じていません、ただ、これまで関係のなかった業者Bにやってもらった修理だったので一抹の不安はありました。そこで後日、業者Aの親方に見てもらうことにしました。答えは業者Bの仕事に問題なし。屋根修理に限らず、頼んでもいないのに近づいてくるのは怪しいと思いました。